イノベーションテクノロジー

INNOVATION TECHNOLOGY

分離・精製

分離精製が多くの産業で利用されている技術であることから、ASIA GIANTでは、バイオテクノロジー、製薬業界に、抽出から精製までの技術サービスやOEM業務など幅広い選択肢を提供しています。

Step 1

抽出

薬草や植物から必要な有効成分や不要な成分を抽出します。従来のアルコール抽出法や水抽出法に比べ、低い温度で有効成分の損傷を回避し、有機溶媒を用いた抽出の場合の残留溶媒による人体への害も回避できます。また、SCCO2流体の特性(拡散しやすく操作圧力や温度を変えることで流体の特性が変化する)により、従来の抽出に比べ、より抽出物の選択性や硬化性に優れています。

Step 2

分離

従来の蒸留は高温操作が必要で、バイオテクノロジー製品の有効成分にダメージを与えやすかったのですが、超臨界二酸化炭素分留で、低温で減圧するだけで製品が回収でき、有効成分の破壊を避けるだけでなく、省エネやCO2削減も達成できます。「濃縮による精製」を目的とし、抽出によりよって得た粗抽出液の分離の他、分離物質が共沸状態簿場合、IPAから水を分離するような通常の蒸留では不可能な分離も、この技術で容易に達成することができます。

Step 3

精製

模擬移動床はクロマトグラフィーの一種で、最大の利点は、単位堆積あたりの個体吸着材の効率が高いため、生産量が多いことです。このため、溶媒の使用量が多い従来のバッチ式の問題点を回避することができます。

超臨界流体抽出法(SFE)

主に、従来の流体〈水、有機溶剤、水蒸気など〉の代わりに超臨界流体を利用するもので、中でも超臨界二酸化炭素は、コーヒーやお茶からカフェインを除去する技術として最もよく知られています。台湾では2000年以降、この工程の精米(玄米の表面の油を除去し、保存期間を長くする)への適用に成功している。

昨今、各国における製品の安全性への高まりから、溶媒の残留がなく、低温(60℃以下)で維持できる超臨界抽出は近年、工業化規模からパイロット規模へと徐々に移行しています。また、バイオテクノロジー企業の健康食品(少量で淡かは高いが商品は多様)の開発にも広く利用されています。

超臨界抽出のメリット

  • 溶媒の残留がない製品
  • CO2がリサイクルでき、CO2排出の問題がありません

  • 溶媒の性質を温度と圧力で調製するため、高純度、長期の保存が可能

超臨界二酸化炭素抽出の応用例

融合成分 漢方ハーブの種類 特徴
テルペノイドと揮発性油
生姜、右近、コーラルジンジャー、クルクマ、草果、砂 仁、アルピニア・ハイナネンシス、チャイニーズアンジェリカ、川芎、柴胡、蛇床子、ウイキョウ、セイヨウネズ、木香、蒼犬、クソニンジン、カート、ニンニク、サジー、呉茱萸、月見草、こぶし、ダイウイキョウ、乳香、沒葯、 肉苁蓉
揮発油のリサイクル率は高いのですが、過酸化物価は一般的にも高く、セスキテルペンは揮発油で容易に抽出でき、トリテルペン類よりもサポニンとカロテンは高い圧力を必要とします。
アルカロイド
馬藍,蓼藍、松藍、延胡索,洋金花、 マチン、光菇子
一般的に、アルカロイドを遊離塩基へ変換するにはアンモニアを用い、同時に添加溶剤を使用します。
クマリンとリグナン
セロリシード、蛇床子,飛龍掌血、厚朴、茵陳蒿、桑白皮
遊離状態のクマリンの場合は、二酸化炭素のみで十分ですが、極性の高いものは添加溶剤が必要で、サポニンの場合はより高い圧力を試す必要があります。
フラボノイド
銀杏草、甘草、高良姜、茶葉、墨紅花 、澄桑、桑白皮
一般的には二酸化炭素だけで十分ですが、添加溶剤を加えると抽出の選択肢が変わる場合があります。
キノン及びその誘導体
丹草、紫草、新疆軟紫草、大黄、何首烏
極性が大きいため、通常はより高い圧力または添加溶剤の使用が必要です。
糖・配糖体
雪靈芝、柴胡、人参、毛花洋地黄、芍藥、黃山葯、穿山薯蕷
通常は高圧が必要となり、添加溶剤を併用します。

超臨界抽出操作プロセスフロー

超臨界抽出の工程は主に、液体二酸化炭素を高圧液体ポンプで臨界圧力(操作圧力)以上に加圧し、熱交換器に通して高圧液体二酸化炭素を臨界状態にします。その後、抽出物の入った高圧タンクに超臨界二酸化炭素が入り、抽出された抽出物は分離タンクへ運ばれます(抽出タンクを出た後、減圧/ガス化され再度分離タンクへ入れられます)。分離タンク内の二酸化炭素の圧力が変化することで、抽出物(extract)の溶解度が変化し、その結果、二酸化炭素と抽出物が分離、冷却機で液化され、再利用できます。下図参照(1234)

超臨界抽出法のシステム工程フロー

超臨界共沸蒸留法

超臨界共沸蒸留(SFF)

超臨界抽出は、主に固体状物質の抽出を目的としていますが、液体状の飼料原料への応用で、超臨界流体を用いた逆抽出が近年注目されており、中でもアルコール酵母液の濃縮・精製や赤ワインの脱アルコールの製造工程が注目されています。抽出タワーの中段から注入された液体原料は、タワーの下部から注入された超臨界二酸化炭素と逆接触後、分離された物質の二酸化炭素に対する溶解度の違いを利用し、抽出物と残渣の分離後、抽出物と残渣がタワーの上下から出てきます。また、アルコールの蒸留精製において、超臨界二酸化炭素を使用することで共沸状態が破壊される可能性があり、従来の蒸留を行った後も、共沸混合物を分子篩で精製する必要があります。

超臨界共沸蒸留システム工程図

模擬移動床

模擬移動床(SMB)

模擬移動床は、ベッドの吸着材の仕様効率を向上させることができる、連続プロセス技術です。従来の化学工業の移動床(True Moving BED)に似ており、その装置は下図の通りです。原料にAとBの2種類の吸着質成分を含み、固体吸着材の連続上昇流装置に入ると、吸着剤は固形物に吸着し、上から下へ流れる移動相によって洗浄されます。中でも、強い滞留性(strong retention)を持つ成分Aは固体に吸着され、上方へ移動し、滞留性の弱い成分Bは移動相に乗って下方へ移動します。

吸着床のいくつかが直列に接続されており、隣接する床の間に供給口と排出口(図を参照)があり、それぞれ供給と吸着材供給口となります。そして3つの排出口から抽出、原料成分、吸着材をリサイクルすることができます。例えば、一定時間が経過すると、全ての流入と流出口を時計回りに次の位置に切り替わり、例として、C4とC5の間から供給すると、C5とC6の間へ切り替わります。残りの入口と出口も次の位置で切り替わり、この結果、時計の逆回りも同様の固体の流れを発生させることができます。入口と出口の位置を連続的に変化させることで、固体吸着剤は逆回りに流れ、移動相は時計回りに連続的に流れるため、TMBと同様、固体と移動相が連続して逆方向に接触しつつ流れることができます。

ASIA GIANTが提供する
2種類のSMBシステムには

低圧型と高圧型があります。低圧型は、生薬粗抽出物の分離、濃縮、高分子医薬品(タンパク質やペプチドなど)の分離、廃水処理(樹脂または活性炭床)など、吸着剤の粒子が大きく、ベッド内の圧力損失が小さい工程に適しています。高圧型は、光学異性体分離や天然活性物質の精製(漢方薬などの開発)に適しており、研究室で確立されたHPLCクロマトグラフの結果を直接システムに適用できます。分離精製の効率が高いため、単位時間当たりの単位体積でみた吸着剤生産率はバッチ式と比べて20~60倍となります。製品種類が多く、開発期間が短いバイオテクノロジー業者に適しています。